2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧
Denkikanで『トリとロキタ』を見た。 bitters.co.jp 最初の場面。ロキタが質問を受けている。視線は正面から彼女を捉える。のちに明らかになる通り、ここで彼女は嘘をついている。そこに何か考え込まされるものがある。 正面から彼女を問いただす視線は、公…
ドイツ映画祭 HORIZONTE 2023で、マリア・シュペート監督『バッハマン先生の教室』を見ることができた。東京にいる日程的にこれしか見られないのが残念。 www.goethe.de ドイツ映画祭のテーマは〈道を開く女たち〉というだが、『バッハマン先生の教室』のテ…
新宿シネマートでC.B. Yi 監監督『マネーボーイズ』を見た。 変わった名前だけど、軽く調べた限りではプロフィールはよく分からない。 なんでもミヒャエル・ハネケに「師事」したらしい。ただ彼が何らかの学校で映画を教えているとインタビューで見たことが…
ユーロスペースで『書かれた顔 4Kレストア版』を見ることができた。 kakaretakao.com 伝統芸能の世界はほぼ無知であるも同然なので、自信をもって言えるほどのことはほとんどない。ただ「映画」として見ただけだ。そして映画として、腰を抜かすほど素晴らし…
見たいと思いつつ映画館で見られなかった『ニューオーダー』をU-NEXTで見た。 klockworx-v.com 暴力はダメだと人は言う。それは分かっている。でもそのあまりに教科書な言い方に、何となく釈然としないものを覚えることもある。それって現実が見えてないんじ…
filmarks.com 「映画についての映画」が好きだ。 「映画がうまくいかないことについての映画」は、ほとんどもう無条件に好きだ。 フェリーニの『8 1/2』はもちろん。ウカマウ集団の『鳥の歌』も。『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』も。(なんか変な例し…
イメージフォーラムで『郊外の鳥たち』を見た。 www.reallylikefilms.com 監督のチウ・ションは、中国映画の第8世代に属するらしい。 胡波(フー・ボー)、畢贛(ビー・ガン)、顧曉剛(グー・シャオガン)を見てきたが、不思議なことに、いつもそこにはタル…
www.transformer.co.jp カミング・オブ・エイジもので、いざというときに真面目なことをちゃんと言える友人、正しい行動を取れる友人にずっと憧れがある。 一番最初の記憶では、『スタンド・バイ・ミー』のリヴァー・フェニックス。最近だと、エリザ・ヒット…
冒頭のダンスホール。一人黒いたたずまいの男。物憂い顔。ベン・カルーザス。ほとんどルー・リードのような深い哀愁を見せる。エリア・カザン的な、というかジェームズ・ディーン的な物憂いショット。 THE FILM YOU HAVE JUST SEEN WAS AN IMPROVSATION. 最…
gaga.ne.jp 先日、熊本のデンキカンで鑑賞。 前作『ザ・スクエア 思いやりの聖域』の風刺の容赦のなさはそのままに、明快さ、分かりやすさ(オストルンド自身は「アメリカ映画」的と言っている)がプラスされた。前回カンヌを制したなら今回も、と思わせる。…
comp6film.com www.youtube.com 90年代のロシア・モスクワ。フィンランド人女性の大学生ラウラ(セイディ・ハーラ)は、古代遺跡の「ペトログリフ」を見るために、列車で一人旅をする。 冷戦後可能になり、2022年以来プーチンによってぶち壊された世界が描か…